「芽生あんたって子は!!」

「ごめんなさい」


あの後、イブからお母さんにすぐに連絡をして貰って家に向かい、萌花の姿のまま玄関まで送ってもらった。



「バスから降りてこないし!」

「……はい」

「スマホも繋がらないし!」

「……はい」

「もー、皆に心配かけて」

「……はい」

「もうすぐ警察に連絡するところだったんだから!」


鬼のように怒鳴る母親の眼に涙が浮かび、ぎゅっと抱き締められて背中をポンポンと叩かれるからまた泣きそうになる。




「あら、さっきの子。ちゃんとお礼言ってないのに……帰っちゃったのね。でも、なんか誰かに似てるのよね」


なんて萌花の存在を思い出すから、"似てる"にバレるんじゃないかってヒヤヒヤした。