Ephemeral Trap -冷徹総長と秘めやかな夜-




「革命って……なんだかちょっと、壮大、ですね」



大きな組織とか、国だとかに使う言葉のイメージ。

そういえば、似たようなことをイブキくんも言っていたっけ。

国って……あとは、王様、とも。



「なぎ高の人たちって、……結束力が、強い……とか?」

「どうだろ。でもまあ、そうであってくれないと困るよね。あくまでもチームだから」

「チーム?」



それって、学校の……理念として? みたいな?

不良だらけの学校では、そんなの、ないに等しいと思ってた。

意外かも……。


わたしはどうやら、相当難しい顔をしていたみたい。

くすくす、と来栖くんが肩を揺らす。



「ごめん。そんな反応にもなるか。根本の認識が違うもんね」



そう言って、机の上の小さなホワイトボードを手に取った。

キュポッとペンの蓋を外し、なにかを書きはじめる。

わたしは、動く彼の手元へ視線を落とした。



「ほら……こう書いてナギリとも読めれば、こう書いても、ナギリって読むんだ」



〈那桐〉と、──〈百鬼〉。

並べられたその文字を見つめる。



「どっちも俺たちを指してる。ここに通ってる生徒のほとんど。……けど、今俺が話してるのは……コッチのこと」



来栖くんはペンの端で、コン、と〈百鬼〉のほうを示した。



「ガッコーという団体としての名前じゃなく、“族”としての、呼び名だよ」