イブキくんは容赦なくわたしを見据えてくる。
その目から逃げることを許してもらえないから、
「……そんな女、……なんだよ」
仕方なくぽつりと吐き出すと、一緒に涙がこぼれた。
視界がぐにゃりと歪んで、イブキくんの表情が見えなくなる。
「森下くんが言ってたこと、……間違ってない。わたし、襲われて、いやだったはずなのに、自分から……求めちゃった。それが本性なんだって。知らなかったよ、わたしも。……自分がこんな子だったなんて、……」
ツギハギだったけれど、なんとか言葉を並べた。
ポロポロと頬を伝う雫が、わたしのスカートを濡らしていく。
「だから今さら、抵抗する意味、ない……」
……数年ぶりに会った幼なじみに、なんてこと打ち明けてるんだろう。
誰にも知られたくないことだったのに。
幻滅されたくないのに。
……会っていなかった期間が長くても、うっかり口が滑ってしまうくらいには、今のわたしはイブキくんの存在にひどく安心感を抱いてしてしまってるみたいだ。
けれどそんなわたしの思いも虚しく、イブキくんはなにも言わずにわたしを解放した。
離れた温もりに、まるで見捨てられたような気分になる。
「……あのねえ、澪奈ちゃん」
我慢ならないという調子で、横から菊川くんが投げかけてきた。


