「あのね、私、今ね。りょうちゃんに好きだって言おうとしてたの。」
「うん…。」
僕の返事を聞いて、少し間が開いて、それからヤヨちゃんはちょっと笑って言った。
「気づいてるよね。さすがに。」
「ヤヨちゃんが…」
好きだから、とは言えなかった。ヤヨちゃんのことが好きだから、鈍感な僕でも気づいてたよって言えなかった。ヤヨちゃんがもう僕の気持ちを知っていても、それでも僕は言えない。言っても言わなくても、これ以上何も、きっと変わらないのに。
「りょうちゃん、聞いてもくれなかった。槙野が待ってるって。絶対にりょうちゃんだって気づいてたくせに。わざと私に言わせなかったの。槙野が…待ってるって。こんな時でも…、やっぱり槙野だった。」
ヤヨちゃんは泣かなかった。声が震えているけれど、ヤヨちゃんは泣かない。僕は本当に、謙遜とかじゃなくて、本当に意味が分からなくて、こんなに大事な時にでも涼太はどうして僕を引き合いに出したんだろうとか、どうしてヤヨちゃんの勇気すら無かったことにしてしまったんだろうとか、腹も立ってきたし、でも…、誰も悪くなんてないのかもしれない。
涼太が言っていた「もしも守りたい人が居るとして」という話。本当の話だったとして、それが誰のことを言っていたのか僕には分からない。
でも、今ヤヨちゃんの心が泣いている。ヤヨちゃんはこんなにも涼太のことが好きで、僕が思っていたよりもずっとずっと好きで、おかしな想像までしちゃうくらいには。
そんなこと本当にあるわけがない。でも「絶対」だって言い切れる?涼太が仮に僕を好きなんだとして、それがおかしいのなら…。
僕がヤヨちゃんを好きなこともおかしいのって訊いたヤヨちゃんの声がこだまする。目の前に居るのに、一秒一秒過去になっていく、過去のヤヨちゃんの言葉ばかりが脳内で何度も鳴り響く。
「うん…。」
僕の返事を聞いて、少し間が開いて、それからヤヨちゃんはちょっと笑って言った。
「気づいてるよね。さすがに。」
「ヤヨちゃんが…」
好きだから、とは言えなかった。ヤヨちゃんのことが好きだから、鈍感な僕でも気づいてたよって言えなかった。ヤヨちゃんがもう僕の気持ちを知っていても、それでも僕は言えない。言っても言わなくても、これ以上何も、きっと変わらないのに。
「りょうちゃん、聞いてもくれなかった。槙野が待ってるって。絶対にりょうちゃんだって気づいてたくせに。わざと私に言わせなかったの。槙野が…待ってるって。こんな時でも…、やっぱり槙野だった。」
ヤヨちゃんは泣かなかった。声が震えているけれど、ヤヨちゃんは泣かない。僕は本当に、謙遜とかじゃなくて、本当に意味が分からなくて、こんなに大事な時にでも涼太はどうして僕を引き合いに出したんだろうとか、どうしてヤヨちゃんの勇気すら無かったことにしてしまったんだろうとか、腹も立ってきたし、でも…、誰も悪くなんてないのかもしれない。
涼太が言っていた「もしも守りたい人が居るとして」という話。本当の話だったとして、それが誰のことを言っていたのか僕には分からない。
でも、今ヤヨちゃんの心が泣いている。ヤヨちゃんはこんなにも涼太のことが好きで、僕が思っていたよりもずっとずっと好きで、おかしな想像までしちゃうくらいには。
そんなこと本当にあるわけがない。でも「絶対」だって言い切れる?涼太が仮に僕を好きなんだとして、それがおかしいのなら…。
僕がヤヨちゃんを好きなこともおかしいのって訊いたヤヨちゃんの声がこだまする。目の前に居るのに、一秒一秒過去になっていく、過去のヤヨちゃんの言葉ばかりが脳内で何度も鳴り響く。



