当たり前だけれど、外は寒かった。
完全に夕暮れって感じで、部活動を終えた生徒達がまばらに居る以外は、生徒の姿はほとんど無かった。
教室の窓から見下ろす景色は白に見えていたけれど、地上から見える景色は灰色に見えた。
空も、木も、運動場も、さっきまで涼太達が居たサッカーゴールの周りも、全部が灰色。
そこにはもう誰も居ないのに、槙野って呼ぶ涼太の声を思い出した。何故だろう。ヤヨちゃんじゃなくて、涼太の声を。
あいつはいつから僕を、槙野と呼ぶようになったんだっけ。それはヤヨちゃんの影響なのか、それとも僕の、僕のせいかもしれなかった。
そう言えばそんなことを、夏休みのあの夜もヤヨちゃんと話していたっけ。
涼太が僕を何て呼ぼうが、僕は僕のままで、どんなに願ったって僕以外の何者にもなれない。
僕が何になってもヤヨちゃんは涼太が好きで、それも絶対に変わらない。
ヤヨちゃんの一番近くに居たいと願うだけ、涼太との距離が遠くなっていたことに気付いていないわけじゃなかった。
本当は僕も涼太もそんなことは望んでいないってことくらい分かっているはずなのに、どうしても僕にはちゃんと出来ないでいる。
ヤヨちゃんの前では本当の僕で居たいけれど、そうしたら涼太の前では、本当の僕で居られなかった。
今だって僕は、ヤヨちゃんに気づかれない様にするだけで精一杯だ。
こんな気持ち、気づかれない様に。
本当の僕で居たいけれど、涼太の前では、そしてヤヨちゃんの前でだって、僕は偽物のままだった。
完全に夕暮れって感じで、部活動を終えた生徒達がまばらに居る以外は、生徒の姿はほとんど無かった。
教室の窓から見下ろす景色は白に見えていたけれど、地上から見える景色は灰色に見えた。
空も、木も、運動場も、さっきまで涼太達が居たサッカーゴールの周りも、全部が灰色。
そこにはもう誰も居ないのに、槙野って呼ぶ涼太の声を思い出した。何故だろう。ヤヨちゃんじゃなくて、涼太の声を。
あいつはいつから僕を、槙野と呼ぶようになったんだっけ。それはヤヨちゃんの影響なのか、それとも僕の、僕のせいかもしれなかった。
そう言えばそんなことを、夏休みのあの夜もヤヨちゃんと話していたっけ。
涼太が僕を何て呼ぼうが、僕は僕のままで、どんなに願ったって僕以外の何者にもなれない。
僕が何になってもヤヨちゃんは涼太が好きで、それも絶対に変わらない。
ヤヨちゃんの一番近くに居たいと願うだけ、涼太との距離が遠くなっていたことに気付いていないわけじゃなかった。
本当は僕も涼太もそんなことは望んでいないってことくらい分かっているはずなのに、どうしても僕にはちゃんと出来ないでいる。
ヤヨちゃんの前では本当の僕で居たいけれど、そうしたら涼太の前では、本当の僕で居られなかった。
今だって僕は、ヤヨちゃんに気づかれない様にするだけで精一杯だ。
こんな気持ち、気づかれない様に。
本当の僕で居たいけれど、涼太の前では、そしてヤヨちゃんの前でだって、僕は偽物のままだった。



