「槙野だったら、何味にする?」

「槙野にずっと謝りたかった。槙野ともっと早く、ちゃんと話がしたかったよ。文化祭の実行委員だって最後まで一緒に頑張りたかった。バスケの時も本当はすごくうれしかった。槙野はいつだって真っ先に私のことを考えてくれてた。ずっとずっと甘えててごめんね。槙野は苦しかったかもしれない。この先もまた槙野に負担をかけちゃうかもしれない。でも私…、やっぱり槙野と友達でいたいよ。」

友達、とヤヨちゃんは言った。それでいい。こんなに想ってもらえる。こんなに幸せなことって、もうこれ以上無いよ。
僕とヤヨちゃんは壊れない。この先何があっても。最強で最高の友達だ。

「ヤヨちゃん。」

「うん。」

ヤヨちゃんの名前を呼ぶ。ヤヨちゃんが答えてくれる。周りは真っ暗。虫の音と、風で葉っぱが揺れる気配。遠くの方から聞こえる生徒達の声も、少しずつ小さく、少なくなっていく。

「ヤヨちゃん。」

「なぁに。」

「ヤヨちゃんのことが、好きだよ。」

緊張はしなかった。当たり前のことみたいに僕は言った。ヤヨちゃんも当たり前のことみたいに微笑んだ。

「普通じゃないかもしれない。僕は。ヤヨちゃんのことが好きだから、ヤヨちゃんの恋を心から応援することはしばらくは出来ないかもしれない。
それでも、こんな僕でもいいかな?何があってもヤヨちゃんと一緒に居たいよ。親友として。傍に居させて。」

ヤヨちゃんはプロポーズみたいだねって笑って、槙野のこと大好きだよって言ってくれた。僕とは違う種類の好きだって分かっていた。それでも最高に幸せだった。

「これで仲直り成立だね。」

ヤヨちゃんが言って、僕も頷いた。