それはきっと、甘い罠。






仲が良いのか悪いのか。


ふたりはギャアギャアと私の目も気にせず、ああ言えばこう言うを繰り返していた。



鞍馬君って女の子に対して一枚上手ってていうか、強引だけど優しいってイメージあるのに。


友達の今井田君の前だと、ちょっと子供っぽくて健全な男子高校生って感じがする。



「……ふふ」


鞍馬君の意外な一面に、思わず笑みが溢れると。


さっきまで騒いでいた鞍馬君と今井田君がピタリと動きを止めて、私を見る。




「このみ、どうして笑ってるの?」


「え?だって鞍馬君達が仲良いからほっこりしちゃって。」


私の言葉に、鞍馬君と今井田君は顔を合わせる。



「仲良い?俺と鞍馬が??
 違う違う。こいつが女の子を(もてあそ)ばないように俺が見張ってやってるだけ」


「え~、今井田君は何を言っているのかな?
 このみに俺の印象が悪くなること言わないでくれる?
 てかさ、このみ笑ったとこマジ可愛いんだけど。
 キュンときたわ」


「おい鞍馬、口を開けばすぐ口説くな。
 そう言うとこだぞお前」


「気になってる女の子口説いて何が悪いんだよ。
 近づいてくれないなら自分から近づかなきゃ何も始まらないよ。
 ……これだから今井田はモテないんっすよ」


「……鞍馬、表でろ」


「ハハッ、暴力はんたーい」