それはきっと、甘い罠。







鞍馬君が触れた背中が妙に熱い。

ドキドキする胸を軽くおさえながら、鞍馬君から視線を逸らすと。


ーーガラッと、教室のドアが開く。


「お、いたいた鞍馬。今からカラオケ行くんだけど、女子がお前連れてこいってうるさくて……」



そう言いながら教室に入ってきた男子生徒は、隣のクラスの今井田(いまいだ)吉高(よしたか)君だった。


鞍馬君と仲が良くて、ここの教室に何度も出入りしているから顔は覚えてる。



そんな今井田君は、教室のドアを開けた瞬間からげんなりした顔で私達を見ている。



……なんでだろう。



「く~ら~ま、おまっ、ついにそんな大人しそうな子にまで手出したのか??」


「ちょっ、今井田?このみに誤解されるような言い方やめてくんない?
 俺から女の子達に手出したことねぇじゃん??
 逆に手出されてるのは俺の方」


「余裕のあるモテ男ほど腹立つもんわねぇな。
 でもお前来る者拒まずじゃん。」


「別に、友達として遊んでるだけじゃん。
 今井田、俺が女の子達といるだけで変な想像働かせてるのかよ?
 この変態め、あー怖い怖い」


「鞍馬ムカつく」