それはきっと、甘い罠。







柔らかい笑みを見せる幼馴染みは、私の頭を軽く撫でて自分の席に戻っていった。



ふと隣を見ると。



--バチッと鞍馬君と目が合う。


慌てて目を逸らして、数秒後にまたチラッと見てみたけど。


クラスメートに囲まれて楽しそうに喋っている彼は、もう私を見ていなかった。



……目、合っただけなのにドキってしちゃった。


それにしても、なんで鞍馬君私のこと見てたんだろう?



きっと、横に目を逸らしたらたまたま私と目が合っただけなんだろうけど。



「ふぅ……」と一息ついて、うるさい心臓を落ち着かせる。



こんな調子で鞍馬君のお隣としてやっていけるのかな……?



ドキドキと、いくら深呼吸してもやっぱり落ち着いてくれない心臓に問いかけたって。


答えは返ってこなかった。