それはきっと、甘い罠。






「藍野ちゃんって、思った通り可愛いのな。」


「……鞍馬君はそういうこと誰にでも言うから勘違いされちゃうんだよ」


「えー、藍野ちゃんに対しては本気だよ?
 だから本気にしてよ」


絶対に本気にしたら駄目なタイプNo.1の人だよ。


……本人には口が裂けても言えないけど。



「お隣同士、仲良くしような~藍野ちゃん。 
 いや、このみ」


「……っ!?」


急に下の名前で呼んでくるなんて。


さすが鞍馬君……ここぞとばかりにグッと距離を縮めてくる。




「顔赤くなったけど、もしかして照れた?」


トントンと、軽く指で自分の頬を触る鞍馬君。



「鞍馬君ってほんと……女の子のツボ押さえてるよね。モテモテな理由が嫌でも分かっちゃった」


「それって褒めてる?
 ならご褒美に、このみが俺のこと下の名前で呼んでくれると嬉しいな~」


「鞍馬君鞍馬君鞍馬君」


「あはは、そう簡単には呼んでくれないか、逆に燃えちゃうわ。」