それはきっと、甘い罠。






渋々自分の席に戻っていく鞍馬君を横目に、山田先生が教卓に戻っていく。



「なぁ、藍野ちゃん」



さっき怒られたばっかりなのに、まさか呼ばれるなんて思ってもみなかったから不覚にもドキッてしちゃった。

どうやら懲りていない彼は、机に肘をつけたまま私をジッと見つめてくる。



「どうしたの?鞍馬くん」


「結構本気だけど。」


「えっ……と、……なにが?」


話が見えない私に、にんまりと笑う鞍馬君。



「んー?……そりゃあ、藍野ちゃんとふたりで空き教室に行くって話。
 こんど一緒にサボらない?」


「……っ、サボっちゃ駄目だよ!
 てか行かないよ……鞍馬君となんて……」


「俺となんて?」


「絶対……危ないし」