それはきっと、甘い罠。






どうしよう……。


早く離れなきゃいけないって分かってるのに
変に力が抜けちゃって、鞍馬君の手を振りほどけない。


顔が赤いって鞍馬君に言われたせいで、変に意識しちゃって目を閉じてみるけど。

当たり前、視界は見えなくなっても相手に真っ赤になった表情を隠せたわけじゃない。



「藍野ちゃん、急に目なんか瞑って。
 もしかして、キス待ち?」


「ちが……っ!?」


変に誤解させてしまった。


それにしてもさすが鞍馬君……。


ただ目を瞑っただけなのに、どうしたらそんな風に考えられるんだろう。


かっわいー(可愛い)
 まさか藍野ちゃんから誘ってもらえるなんて、席替えといい、もしかして俺今日ツイてる?」



フニッと伸ばした餅のように、私の頬に軽く触れる鞍馬君は。


自分のカッコ良さを絶対分かってる。



整った顔が口角をあげて、私を見つめると。