「ね、先パイ。今日って校門の所で生徒指導の先生と風紀委員がいるって噂、知ってます?」
後輩の女の子はマスクの下できっとニコニコしながら言う。
「え……、知らないけど、そうなの?」
オレはふいに自分の耳を触る。
……やば、やっぱりピアスを付けたままだ。
「怒られますよー」
後輩の女の子は笑いながら、
「行こう、さやか!」
と言って、さやかちゃんの手を握って小走りに去って行った。
ふたりの後ろ姿をぼんやり見ながら、
「若いな……」
と呟く。
って、オレだってまだまだ17歳。
ふたりより1つ年上なだけなんだけど。
でももうこの坂道を、例え小走りだとしても、走ってのぼる元気はないなぁ。
ピアスを外す。
制服のシャツのポケットにしまった。
さやかちゃんともっと話したかったな。
残念な気持ちを抱えて校門をくぐる。
生徒指導の先生にも風紀委員の人にも、じろっと見られただけで何も言われず済んだ。
後輩の女の子に心の中で軽く感謝しつつ、オレは2年8組の教室に入った。
後輩の女の子はマスクの下できっとニコニコしながら言う。
「え……、知らないけど、そうなの?」
オレはふいに自分の耳を触る。
……やば、やっぱりピアスを付けたままだ。
「怒られますよー」
後輩の女の子は笑いながら、
「行こう、さやか!」
と言って、さやかちゃんの手を握って小走りに去って行った。
ふたりの後ろ姿をぼんやり見ながら、
「若いな……」
と呟く。
って、オレだってまだまだ17歳。
ふたりより1つ年上なだけなんだけど。
でももうこの坂道を、例え小走りだとしても、走ってのぼる元気はないなぁ。
ピアスを外す。
制服のシャツのポケットにしまった。
さやかちゃんともっと話したかったな。
残念な気持ちを抱えて校門をくぐる。
生徒指導の先生にも風紀委員の人にも、じろっと見られただけで何も言われず済んだ。
後輩の女の子に心の中で軽く感謝しつつ、オレは2年8組の教室に入った。