翌日。
昼休み。
オレは購買まで行って、昼飯にするパンとジュースを買った。
浩人は委員会の仕事で教室にいないので、ひとりでプラプラ歩く。
どこで食べようかな。
あんまり人がいない所のほうが食べやすい。
そう思って、体育館裏に行った。
体育館裏には、小さなテーブルとイスが置いてある庭みたいな場所がある。
夏場だし。
暑いからきっと誰もいない。
みんなクーラーの効いている教室のほうを選ぶ。
体育館裏に着くと、テーブルには先客がいた。
「あっ……」
顔を上げたその先客は、さやかちゃんだった。
「先パイ」
さやかちゃんもオレに気づく。
何となく気まずい。
好きな子とふたり。
嬉しいけど、マジで恥ずかしい。
オレは無言で、とりあえず片手を上げる仕草をした。