そう言われたらわたしも、そう思う。だってわたしたちの子供だよ?可愛くない訳がない。
それにきっと、わたしは子育てを通して母親としてもっと強くなるはず……。藍はきっと、いい父親になるだろうな……となんとなく感じる。
「……可愛くない訳、ないでしょ」
「そうだな。 でも子供だけじゃなく、透子にもたくさん愛をあげないとな?」
不思議そうに藍を見ると、藍はわたしに向かって「子供にばかり愛をあげたら、透子が俺に構ってくれなくなりそうだしさ」なんて、冗談なのか分からないようなトーンで言ってきた。
「勘違いしないでくれる?……わたし元々、アンタに興味ないんだけど?」
なんて冷たく言い放ったけど、藍はめげることなく、次にわたしに「でも透子は、最近俺のことやたら気にするじゃん」と言ってきた。
「……そんなことないから。それも全部、藍の勘違いだから」
なんて言ってはみたものの。結局の所、それだって藍のことを何も知らないのは、家族になるのにマズいと思ったからだし……。
特に深い意味なんてない。家族になるためだけに、知っておきたいだけ。
「そうだとしても、俺は嬉しいけどね。 透子に興味を持ってもらえるなら、俺は何でもするよ」
そして次に、そう言われた。



