と言われて洗濯物カゴを藍が持った。

「え、何?何なの?」

「いいから。のんびりと映画でも観よう」

 そう言われてソファに座らされる。

「え、ちょっと……」

 映画でも観ようって……。わたしまだ、何も言ってないんだけど……。

「透子、どの映画が観たい?」

「え、どのって言われても……」

 いきなりそんなことを言われても……困るんだけど。

「ほら、見てみろ。色々あるぞ?」

 藍がリモコンを操作しながらわたしに言うから、冗談で「じゃあ、ホラー系とかがいい」と言うと、藍は「えっ!?」と驚いた顔を見せる。

 え、何!? もしかして、藍はホラー系ダメなの……?

「何?怖いのとかはないの?」

「いや、まぁないことはないが……。やっぱり恋愛ものにしないか。な?」

 そう言われてわたしは「何? 藍、もしかしてホラーとか苦手?」と問いかけた。

「まぁな……。だからやっぱり、恋愛ものにしよう、透子。な?」

「もう……。分かったよ、恋愛系ね」

 仕方なく恋愛ものを観ることにした。

「ラブコメと純愛、どっち観る?」

「え? どっちでもいいよ」

 そう答えると、藍は「じゃあ今日は、ラブコメにしよう」と言ってリモコンのボタンを押した。