「へぇ?透子はこういうのが好きなのか」

「え?」 

 なんて言いながらわたしを見ていた。

「ちょっと!見ないで、触らないで……!」

 藍の手から下着を奪い返し、そのまま干し竿にかけた。

「何を照れてるんだ?」

「照れてないし……!」

 藍はいつも、そうやってからかってきたりする。

「透子は恥ずかしがりやなんだな」

「はぁ?違うからっ……!」

 何が恥ずかしがりやよ!本当に藍ってば……。

「不思議だな。本当に透子のこと、毎日愛してると思うよ」

「何それ……。気持ち悪い」

「ひでぇ……。お前は夫に向かってそんなこと言うのか」

 と言われながらわたしのそばを彷徨く藍に、わたしは「もう、うざい……!あっち行って!」と追い払った。

「残念だけど、それは出来ないな」

「なんでよ」

 と呆れながら言うと、藍は「今日はずっと、こうやって透子のそばにいたいから」と言われてしまう。
 だけどそんなことを言われたら、何も言い返すことも出来なくなり、ひたすら洗濯物を無言で干した。

「藍、洗濯物、干し終わったけど?」

「ありがとう透子。 さ、こっちに来てくれ」