「旦那様にどんなものをお求めですか?」
「そうですね……」
確かに藍がよく身に着けているのは、腕時計とかだけど……。
でも藍が着けている時計って、高級なあのカリティナの時計なんだよね……。そんな高級な時計を着けている藍に、安物の小物でいいのか困ってしまう。
「すみません。ちょっと見させてもらってもいいですか?」
「もちろんです。何かありましたら、いつでも呼んでくださいね」
「ありがとうございます」
わたしは店内を見渡しながら、藍に似合いそうなものがないかを探してみるけど、イマイチピンと来るものがない。
藍の好きなものって……。何だ? そういえば、聞いたことがない。
藍って、どんなものが好きなんだろう……?
「誕生日プレゼントって、どんなのみんなあげてるんだろう……?」
店内を一通り見た後、お店を出て別のお店へと向かった。
藍に服をあげたいと思ったりはしたけど、服の好みが分からないから、好みじゃないものをあげたりした時の反応が怖いと感じる。
「香水……とか?」
いや、それこそ好みが別れるよね……?
あれ、そういえば藍……。香水付けてるよね?いつも藍からは、同じ香水の香りがする気がしている。



