かと言って、何も渡さない訳にはいかない。何かプレゼント、用意しなきゃ。
 藍の誕生日の日には、豪華な料理とプレゼントでお祝いしないとだね。



 そしてそれから数日後ーーー。

 わたしは藍の誕生日プレゼントを探すために、隣町にあるショッピングモールへとやってきた。
 少しずつ大きくなったそのお腹で歩くのはちょっと大変だけど、それでもわたしは藍に喜んでもらいたいから、ゆっくりとしたワンピースを着て買い物にやってきた。

「大きいショッピングモールだな」

 ショッピングガイドを手に、モールの中をゆっくりと歩いていく。
 雑貨屋を探して歩いていると、雰囲気良さそうなお店を見つけた。

「なんか、良さそう」

 お店の中に足を踏み入れると「いらっしゃいませ〜」という店員さんの明るい声が響いた。
 藍に似合いそうな物がないかを探してみると、店員さんに「何かお探しですか?」と声をかけられる。

「え、あ……その、夫にプレゼントをしたくて」

「まぁ、旦那様に?素敵ですね」

「あ、ありがとうございます」

 藍が好きなものってよく分からないけど、なにをあげたら喜んでもらえるだろうか。