「……早く、産みたいな」

 そう口にしてしまうほど、愛が溢れてしまう。

「産むのはまだまだ先よ。頑張って、お母さん」

「……はい。ありがとうございます」

 わたしはお礼を伝えると、服を元に戻しベッドから起き上がった。

「赤ちゃんは七ヶ月目に入ったところね。このまま順調に行けば、予定通り産まれそうね」

 と、先生はカルテを記入しながら言った。

「ありがとうございます」

「また何か困ったことがあれば、いつでも来てくれて大丈夫ですからね」

「はい。ありがとうございます」

 わたしはそう伝えると、先生は「じゃあ、お大事にね、高城さん」と言って微笑んでくれた。

「はい。ありがとうございました」

 わたしが診察室を出ると、藍は待合室で待っていた。

「透子、終わったのか?」

「うん。お待たせ」

 と、藍の隣に座ると藍は「赤ちゃん、大丈夫だったか?」と心配そうに聞いてきた。

「うん、大丈夫だったよ。 ちゃんと育ってるって。今七ヶ月だって」

「そうか。良かった……。順調そうだな」

 藍はよほど心配していたのか、ホッとした様子で微笑んでいた。

「ありがとう、藍」

「え?」

「藍が心配してくれて、わたしはすごく嬉しかったよ」