【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉



 と声を発すると、元カノは「返してよ……。藍のこと、返してよ……!」とわたしに突っかかってきた。

「はぁ?返してって……」
 
 この子、何言ってるの……?

「藍はわたしのなのに! 何でアンタみたい女が、藍の隣にいるのよ……!」

 そう言ってわたしの腕を掴んでくる元カノの腕を、わたしは「ちょっと、離して……!」と振り払った。
 そのせいで荷物がバラけて落ちていく。

「アンタのせいよ……。アンタのせいだから!」

「ちょっと、やめて……!」
 
 何なのよ、もう! 何があったって言うのよ……!

「アンタのせいで、わたしは藍と結婚出来なかったじゃない……!!」

「え、結婚……?」

 どういうこと……?

「アンタさえ……。アンタさえいなければ、わたしは今頃藍と……!」

 そう言われて後ずさりすると、元カノはわたしに近付いてきて、そして……。

「……っ!?」

「アンタのこと、絶対に許さない……!! アンタを殺してやる……!!」

 そしてポケットからナイフを取り出した彼女は、わたしに向かってそのナイフを向けてきた。

「ちょっと、何してるの……!?」

 この子、正気……!? 信じられない!

「藍のこと、返してよっ!!」