と追い返そうとするけど、藍は「透子が怒ってるん理由を教えてくれるまで、俺はここから出ていかないからな」と言い出した。

「もう……!一人になりたいんだってば……!」

 藍は本当に、女心が分かってない。 いつもそうやって心配してるみたいな雰囲気出してるけど、たまには一人になりたい時だってあるのに……。
 心配しすぎてムカつく……。

「透子……。お前、何で泣いてるんだよ」

 そう言われて初めて気付いた。わたしが泣いてるということにーーー。

「泣いてないから……。あっち行ってってば……」

 泣いているという事実を隠し通したいのに、流石にそれは無理があるようだ。

「何言ってるんだ。……こうやって泣いてる妻を放っておける訳、ないだろ」

 藍はそう言って、わたしを布団ごと包み込むように抱きしめてきた。

「藍のバカ……」

「透子。妊娠してること……そんなに辛いのか?」

 と、藍は聞いてくる。

「はあ?違うから……」
 
 妊娠してることが辛かったら、きっとわたしは今頃……堕ろしてる。

「じゃあ何だ? 教えてくれ」

「……あの女、誰?」

 わたしは勇気をだして、布団から起き上がり藍にそう問いかけた。

「え、女……?」

「とぼけないで……」