「さあ、先輩がしたいことって、なんですか?」

にこにこと満面の笑みで聞く。もう、顔が笑み以外の形を取れない。嬉しすぎる。

……いや、別に、決して回想で理性云々の話があったから誤魔化したい訳ではなく。

初、家デート。

それが、想像以上に、幸せだったのだ。

「……ん~。あ、ゲームしたい!」

数瞬の間があってから、彼女はポン、と手を叩いてそう言った。

「……ゲーム、ですか?」

「うん! ここに置いてある、ゲーム機! 満天堂のやつでしょ? 私もよくやるよ。これしよう!」

そう言って、赤と青のコントローラーを取った彼女は、片方を俺に渡す。

俺はきょとんとした顔でそれを受け取った。