「こんな外じゃ寒いから、中に入りましょ」
そう言って家の中に入れてくれたおば様
リビングに行くと、小さい子供を含めて
3人も家の中にいる。おば様と彼・・・悠翔と呼ばれた人を
含めば、5人だ
「お母さん、この女の人はどうしたのよ」
「私の幼馴染の娘よ」
え?お母様は、そんな事一言も言ってない
「そして、悠翔と奈未ちゃんは婚約者同士なのよ」
!?
ここにまで婚約者を用意していたの?
「奈未ちゃん?」
「あ、ごめんなさい。何でもないです」
お母様も、婚約者を用意していたと言うの?
それほどまでに、あたしが邪魔だと言いたいの?
どこにいても味方だなんて言っておいて
こうやって裏切っていく
「奈未ちゃん。何か誤解しているようだから、最初から話しておくわね」
誤解・・・?
「小さい頃から、お互いに子供が出来て
"1番"最初の子供だけ名前を決めておこう。そう話していたの
女の子だったら"奈未"。男の子だったら"悠翔"
そう決めていたわ。でも、ある年
白井凌・・・つまりあなたのお父さんは、自分の婚約者を探しに来たと
麗奈を連れて行ってしまったわ」
あ・・・
「麗奈には、何も言わずただ。"お前は俺の婚約者になることが決定している。
反対する事も、異議を唱えることも、認めない"そう言って、彼は
麗奈を連れて行ってしまったの」
「・・・っ」