プラネタリウムの上映が終わり、帰ろうとしたところ、理森が、

「今日はありがとな。よかったら、今夜飲みにでも行かない?」

「久しぶりだし、いいね。アパートで待ってる」

「わかった。仕事終わったら迎えに行くよ」


私は、いま住んでいる、この街とは何の縁もゆかりもない。

いま実家のある、中3から高3まで過ごした田舎が死ぬほど嫌いで、進学のために上京したけれど、卒業後もずっと東京でやっていける自信がなかった。

もう少し人口密度も低いところがいいと思い、なんとなくこの街へ引っ越してきたものの、縁もゆかりもないだけあって、県内には理森以外に友人もいない。

面倒が嫌で、職場の人ともプライベートでは付き合わないから、尚更だろう。