悲鳴を上げたプリリア王女をまたもや王太子が黙らせた。
 部屋に沈黙が流れる。
 突然の事に、スーリアは少々呆気にとられた。目の前では跪いたアルフォークがこちらを見つめている。まわりに居る人達は一言も発せずただこちらを見守っている。どんな反応を示せばよいのか分からずに戸惑うスーリアに、斜め後ろにいたルーエンが小声でコソッと耳打ちした。

「リアちゃん。これは騎士の誓いの言葉だよ。ここは『許します』って言うんだ」
「えっ…と……、許します」

 その言葉を告げると、アルフォークが蕩けるような笑みを浮かべた。次の瞬間、スーリアはぐっと息苦しさを感じた。アルフォークに全身を力強く抱きしめられたのだ。恋焦がれた温もりが全身を包み込むのを感じた。

「スー。愛してる」

 頭上から、小さく囁く優しい声がした。