アルフォークが息を飲む。
 
「私をこんなにしっかり繋いで、逃さないくせに」

 スーリアの瞳から、初めてポロリと涙がこぼれ落ちた。アルフォークはその涙をそっと指で拭った。

「スー。スーに会ったら、伝えたい事があったんだ」

 アルフォークはスーリアに静かにそう言った。

「ええ」

 あのような誤解の別れとなる前、アルフォークは手紙でも『スーに伝えたい事がある』と書いていた。アルフォークの様子から、それはきっと大事なことなのだろうとスーリアは思った。

 アルフォークがスーリアの前にスッと跪く。

「私、アルフォーク=ウィンベルグは貴女、スーリアの剣と盾なり、生涯に亘り守り通すことをお許し下さい」
「……え?」
「何ですって!」