ふと気付いた時、スーリアは久しぶりのその光景に目をぱちくりとさせた。空は虹色のグラデーションがかかり、どこまでも続く真っ白な広い世界。目の前の数十メートル四方の一角だけは緑の芝が生え、美しい花々が咲き乱れている。そして、お決まりのようにバルーンに付いたのぼりが上がっていた。

『ようこそ。女神シュウユのランチピクニックへ』

 それを見て、スーリアはようやくそこがランチピクニック会場なのだと理解した。よくよく見ると、草原の中にはレジャーシートが敷かれており、リアちゃんがせっせと何かを並べていた。

「こんにちは、リアちゃん」
「あ、いらっしゃい、恵ちゃん。ちょうどよかったわ。ちょっと手伝って」

 スーリアを見つけたリアちゃんはこっちこっちとスーリアを手招きする。近づいてみると、お弁当を広げているようだ。サンドイッチやカットフルーツ、キッシュやフリットなどか彩りよく四角い箱に盛られている。スーリアはそれを広げてお皿を並べるのを手伝った。

「今日は何を?」
「見ての通り、ランチピクニックよ」

 リアちゃんとは違う声がして顔を上げると、女神のシュウユがにこにこと微笑んでいた。