促されて玄関から手を振ったスーリアは、家に入るとすぐに二階に駆け上がった。窓を開け、その姿が見えなくなるまでずっとアルフォークを見送った。

「ミア。私、幸せものだよ。うふふっ」

 スーリアは足元に寄ってきたミアを抱き上げると、その身体をぎゅっと抱きしめる。
 一瞬だけ触れ合った柔らかな感触。スーリアはそれを確かめるように、指で唇をなぞった。