「──もう少し小雨をイメージほうがいいかも知れない。雨雲は出来れば真上じゃなくて、斜め前方ぐらいで……」
「ご、ごめんなさい……」

 二人は顔を見合わせた。お互いにびしょびしょになった姿を見て、スーリアはなんだかとても愉快になった。

「ふふっ。アル、びしょびしょだわ」
「スーもな」
「ごめんなさい。ふふっ、あははっ」

 笑い転げるスーリアを見て、アルフォークは唖然とした顔をした。けらけら笑い転げていると、スーリアの顔にピシャッと水がかかる。

「お返しだ」

 ニヤリとしたアルフォークを見て、魔法で水鉄砲を食らわされたのだとわかった。

「まあ、酷いわ!」

 ポスンと軽く叩くと今度はアルフォークがけらけらと笑う。結局、下着までびしょびしょになった二人はルーエンに頼んで魔法で服と髪を乾かして貰ったのだった。