「もしかして、魔法?」
「そうだ。顔が火照っていたから。俺は氷属性の魔術も得意だから、今度、氷属性の魔法石も作ってやる」
「そんな、悪いですっ」
「花畑で暑さで倒れたら大変だ。御守りがわりに貰ってくれ」

 アルフォークはスーリアを見下ろして、苦笑した。

「ありがとうございます……」
「どういたしまして。水遣りの練習をしようか? 魔法で水遣りしたことはある?」
「ないです」
「自分のまわりに水が集まる様子をイメージするんだ。頭上に雨雲が集まって、雨が降るような──」
「なるほど。やってみます」

 その直後、スーリアとアルフォークの頭上にだけ豪雨が降った。
 バケツをひっくり返すような大雨が二人を襲う。洋服はびしょびしょになり、髪からは水滴が滴り落ちる。