スーリアは突然声をかけられて、ハッとして顔を上げた。薬草園の入り口でアルフォークが立っている。水色の髪が太陽の光を浴びて涼し気に輝いていた。
「アル! ルーエンさんに会いに来たの?」
「ああ、そうだ。ついでにスーがいるかと思って寄った」
アルフォークはスーリアを見下ろすと柔らかな笑みを浮かべた。スーリアはつい最近自覚したばかりの恋心からついついぎこちなく視線を彷徨わせ、土に汚れた手を咄嗟に隠した。
「今は何を育てているんだ?」
「バラとユリです。今度舞踏会があるらしくて、そこで飾るバラとユリをここでも作って欲しいと装花師の方にお願いされました。沢山あった方が見栄えしますからね」
「舞踏会……」
スーリアはチラッとアルフォークを伺い見た。
今、少しアルフォークの声が沈んだような気がしたが、気のせいだろうか。
アルフォークはいつもと変わらぬ表情でバラとユリを眺めていた。白いバラの前でふと立ち止まると、そっとそのバラに手を添えた。
「白バラの花言葉は?」
「『純潔』や『純粋』です。結婚式でよく使われます」
「では、白ユリは?」
「同じく、『純潔』や『純粋』です。こちらも結婚式でよく使われます」
「なるほど」



