ね、と言われても恵も困ってしまう。
こんな世界を救う聖女みたいなお役目、自分にはとても無理だと思った。そもそも、その浄化の仕方とやらがわからない。困惑する恵にシュウユは微笑みかけた。
「恵ちゃんには今これより下界を浄化するためにリアちゃんの身体を渡します。いいこと? 下界を浄化するために私があなたに望むことは一つだけ。恵ちゃんが幸せになることよ。いいわね?」
「私が幸せになること?」
「そうね、また花でも育ててみたらいいと思うわ。それは私の神力を注ぐ器になる。恵ちゃん自身は毎日楽しく過ごしてくれればそれでいいわ。そうでないとうまく力は注がれないの。それに、あとは何とかなるわ。大丈夫よ」
にっこりと頬笑む女神様はかなりとんでもないことを言っているが、そんな笑顔もとてつもなく美しい。思わず見惚れた恵はハッとした。
──全然大丈夫じゃないし!
そう言い返そうと口を開きかけたとき、「そろそろ行かないと。時間がないわ」とシュウユが言った。意識が暗闇にのまれていく。
「私の家族をよろしくね。私もいつか会いに行くから」
薄れゆく意識の中で、リアちゃんの声が聞こえた。



