──女神? この人が?? 

 胡散臭いことこの上ない。
 なんで突然女神様が?

 恵の中で疑問がむくむくと湧いてくる。

「今下界に空間の歪みがたくさん発生してて、みんなが困ってるみたいなの。普段は私はただ見守るだけなのだけど、毎日毎日助けてくれってこうも祈られるとねぇ。根負けしちゃったわ。と言うことで、恵ちゃんが聖女になって浄化してきて」

 さらに続けて笑顔で女性が言ったことに恵は目をみはった。聖女だとか、空間の歪みだとか、浄化だとか、恵には何のことだかさっぱり意味がわからない。

「ちょっと待って。一体どういうことなの? 空間の歪みって何? 私浄化の仕方なんて知らないわ。そもそも、どうしてわたしなの?」

 目の前の笑顔の女性には聞きたいことだらけだ。恵は、思いつくままに矢継ぎ早に質問をした。