──あれ? ここはどこだろう?? 

 そんな単純な疑問が恵の頭に浮かぶ。

 気が付いた時、恵は見知らぬ場所にいた。見知らぬ場所と言うか、何も無い場所だ。
 見渡す限り続くのは白く平坦な世界。空はよく知る水色ではなく、透き通った七色のグラデーションのようななんとも不思議な色をしていて、雲は一つもなかった。

 そして、恵の目の前にはイベント会場にあるようなバルーンがたくさん飾られたゲートがあった。ゲートからはのぼりがあがっており、のぼりの一番上にはピンク色の大きなバルーンが付いている。

『ようこそ、女神シュウユの世界へ!』

 のぼりには日本語でそう書かれていた。ゲートの奥には見たことも無いくらい綺麗な女の人と、息を飲むような可愛らしい女の子がいた。

「こんにちは、恵ちゃん。私の世界へようこそ!」