「よし決まり。手紙を入れた合図は何にしようか、肩を二回たたくとかどうかな。
 はい、それじゃあこの話は終わり。
 映画見に行こうぜ、予定ないだろ?」

 あからさまに急な話題変更をして裏庭の出口へと急ぐ智樹。

「予定は無いから映画は大丈夫だけど、どうして急に映画?」

 そう言う美利に対して恥ずかしそうに智樹が言う。

「手紙に書いたんだけどさ…」

「直接言えばいいのに」

 そう言って笑う美利に智樹は頭を抱える。


「だから……二人で行きたいって…事なんだけどなあ!」

 美利の頬を触る智樹の顔は再び赤く染まっていた。