「ここは空がきれいに見えるからな」

 智樹の小さな呟きには特に返事もせず空を眺めている。

 『カサ…』

 一度だけ強い風が吹いて智樹の持っていた袋が音を鳴らす。

「そうだ、これあげる」

 そう言って美利の目の前に差し出したのは先ほどから手に持っていた小さな紙袋だった。

「何?」

 返事をしながらその袋を受け取り、中身を確認する。

「誕生日プレゼント」

 妙に活舌よく喋る智樹に笑いながら返事をした。

「今日じゃないよ」