ようやく撮影が終わり、緊張の残る空気を肺から精一杯吐き出す。





…静か。



一応、東京の某TV局の前のネオン街なだけあって、普段住み慣れている山梨の山々の間にいるときよりかは、夜にしては騒がしいかもしれないけど。




さっきの、番組撮影の盛り上がりから考えると、嘘のようだなぁ。






…そんなことを思いながら、待ち合わせの方向へと足をすすめる。

横目に酔っ払った集団を見ながら、できるだけ近づかないように道の反対側を歩く。

一応、帽子も深くかぶっているし、そんなに可愛い顔じゃないからナンパとかはないけど。



クイズ番組によく出る “あの”水谷(みずたに) 花蓮(かれん) だと、認識されてしまったら面倒なことになる。