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急遽おもちゃ売り場へ向かうことになったリナは自転車で少し離れたデパートへ向かうことにした。


そこには沢山の店舗が入っていて、弟がほしがっているおもちゃもきっと売っている。


10分ほど自転車を走らせて到着したデパートは金曜の夕方ということでお客さんの数も多かった。


並べられている商品を何気なく見ながら2階のおもちゃ売り場へと足を進める。


さすがに、おもちゃ売り場となると少し客足は少なくなっていた。


クリスマスなどでは大賑わいな売り場でも、平日ではこんなものだ。


親子のお客さんがポロポロといる店内を見て回っていると、弟が好きなロボットアニメのコーナーが設けられていた。


さすが人気アニメのようでグッズは沢山でている。


その中でひときわ目立っているのが、さっきテレビで見たばかりのあのおもちゃだ。


ためしに金額を確認してみると3000円する。


3000円あれば家族全員分の1日分の食費になる。


咄嗟にそんな計算をしてしまう自分に少しだけ悲しくなった。


でも、もうそんな計算だっていらなくなるんだ。


リナは覚悟を決めて最寄の女子トイレへと向かった。


トイレの中には幸いお客さんの姿はない。


リナは念のために個室に入ってからバッグの中の仮面を取り出した。