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帰宅してからリナは呆然と万年筆を見つめていた。
黒い万年筆の横にはブランドのロゴが書かれていて、それは誰でも知っているような有名なものだった。
もちろんリナがそのブランド品を持ったことなど1度もない。
この万年筆ひとつで数万円はすることだろう。
「お姉ちゃんなにしてるの?」
ふいに後ろから声をかけられて、リナは慌てて万年筆をスカートのポケットに隠した。
振り向くと宿題を終えた弟が退屈そうな目をこちらへ向けている。
「なんでもないよ。宿題は終わったの?」
「終わったよ。一緒に遊ぼうよ!」
今日は弟も友達との約束がないようだ。
『いいよ』と返事をしかけてリナは自分の学生カバンを見下ろした。
カバンの中にはあの仮面が入っている。
もっとちゃんと、仮面の効果を確認しに行きたいと言う気持ちが強かった。
「ごめん。今日はこれから少し用事があるの。テレビを見ていていいから」
「なんだぁ、つまんないの」
弟はリナと遊べないことに唇を尖らせるが、大人しくテレビの前に座ってくれた。
ちょうどアニメ番組が放送されていてすぐにかじりつくように見始める。
帰宅してからリナは呆然と万年筆を見つめていた。
黒い万年筆の横にはブランドのロゴが書かれていて、それは誰でも知っているような有名なものだった。
もちろんリナがそのブランド品を持ったことなど1度もない。
この万年筆ひとつで数万円はすることだろう。
「お姉ちゃんなにしてるの?」
ふいに後ろから声をかけられて、リナは慌てて万年筆をスカートのポケットに隠した。
振り向くと宿題を終えた弟が退屈そうな目をこちらへ向けている。
「なんでもないよ。宿題は終わったの?」
「終わったよ。一緒に遊ぼうよ!」
今日は弟も友達との約束がないようだ。
『いいよ』と返事をしかけてリナは自分の学生カバンを見下ろした。
カバンの中にはあの仮面が入っている。
もっとちゃんと、仮面の効果を確認しに行きたいと言う気持ちが強かった。
「ごめん。今日はこれから少し用事があるの。テレビを見ていていいから」
「なんだぁ、つまんないの」
弟はリナと遊べないことに唇を尖らせるが、大人しくテレビの前に座ってくれた。
ちょうどアニメ番組が放送されていてすぐにかじりつくように見始める。



