そんな噂を信じて放課後の屋上まで行ってしまうなんてどうかしているとしか思えない。


「でもダメだった」


「仮面はなかったの?」


「そうじゃなくて、そもそも屋上へ出る鍵は閉められているから、出られなかったんだよね」


心底落ち込んでいる様子で肩を落とす。


リナはそんなクラスメートを見て呆れたため息が出そうになってしまった。


屋上への鍵がかけられているなんてわかりきったことだ。


「そっか、残念だったね」


「ね、本当だよぉ」


自分はそこまでしてどんな犯罪者になりたかったの?


リナはその質問をグッと喉の奥に押し込めたのだった。