学校までの道のりを背筋を伸ばして歩いていく。


一歩外へ出れば私はもうアイドルだ。


近所の人たちだって私の活動を知っているから、下手な姿を見せることはできない。


休日に近くのコンビニまで行くときだって、スッピンに見えるナチュラルメークで、可愛いルームウェアを身に着けて行く。


そのくらいしなければ本物のアイドルになんてなれないとリナは思っていた。


学校までの道のりを歩きながら、小学校の頃両親につれられていったアイドルのコンサートを思い出す。


ステージの上でキラキラと輝いていた彼女たち。


いつか自分のあのステージに立ちたいと願い、中学に入学してからダンスレッスンをはじめた。


それがよかったのかはわからないが、高校に入学してからは地元アイドルとして活動するようになっていた。


最初、地元アイドル募集のチラシを見たときはまさか自分が選ばれるなんて思ってもみなかった。


だって、応募条件は市内に暮らす0歳から100歳までの女性となっていたから。


町おこしのための一風変わったアイドルを作りたいのだと思っていた。


だけど最終的に残ったのはリナを含める高校生2人と中学生2人の4人だ。