うまく撮れているだろうか?


仮面を取り、はやる気持ちを抑えきれずに恵一はデジタルカメラの保存写真を確認した。


その中にはしっかりとリナの授業を受ける姿が保存されていた。


リナは右手にシャーペンを持ち、小首をかしげて先生の話を聞いている。


いつの間にかアップでも撮影していたようで、それははっきりとリナだとわかるように撮影されていた。


「すごいぞこれ」


思わず興奮した声が漏れて、慌てて右手で自分の口を塞いだ。


同じクラスになってからリナのこういう姿は幾度となく見てきている。


しかし、写真に収めたことは一度もなかった。


そんなリスクの高いことできないからだ。


このレアな写真を撮れただけでも恵一は興奮していた。


だけど今日の目的はこんなもんじゃない。


体育の授業はまだ先だ。


それまで休憩していよう。


恵一はそう考えてトイレを出たのだった。