あの仮面が噂の仮面かどうかはわからない。
でもここに置きっぱなしにしといていいものではないと思う。
例えば演劇部がここで練習をして忘れて行ったものかもしれないし、とにかく見つけた自分が回収して、それから考えればいい。
ゴクリと唾を飲み込むと再び仮面へと近づいた。
また強い風が吹き抜けて行ったが、今度はドアが閉まるようなこともなく恵一も足を止めなかった。
仮面の横にしゃがみこみ、それを手に取る。
指先に触れた瞬間電流でも流れたかのように手を引っ込めたが、太陽の熱で少し熱くなっているだけだった。
ビクビクしながらその仮面を取り上げると、恵一はすぐにカバンに仕舞い込んだ。
まるで万引きでもしたかのように慌てて屋上から校内へと戻り、階段を駆け下りていく。
あまり運動してはいけないという医者との約束も忘れて一気に昇降口までやってきてしまった。
背中には大量の汗をかき、呼吸が乱れてメマイもする。
恵一は下駄箱に体をもたれかけさせて深呼吸をする。
けれどいつまでたっても、心臓は早鐘を打ち続けていたのだった。
でもここに置きっぱなしにしといていいものではないと思う。
例えば演劇部がここで練習をして忘れて行ったものかもしれないし、とにかく見つけた自分が回収して、それから考えればいい。
ゴクリと唾を飲み込むと再び仮面へと近づいた。
また強い風が吹き抜けて行ったが、今度はドアが閉まるようなこともなく恵一も足を止めなかった。
仮面の横にしゃがみこみ、それを手に取る。
指先に触れた瞬間電流でも流れたかのように手を引っ込めたが、太陽の熱で少し熱くなっているだけだった。
ビクビクしながらその仮面を取り上げると、恵一はすぐにカバンに仕舞い込んだ。
まるで万引きでもしたかのように慌てて屋上から校内へと戻り、階段を駆け下りていく。
あまり運動してはいけないという医者との約束も忘れて一気に昇降口までやってきてしまった。
背中には大量の汗をかき、呼吸が乱れてメマイもする。
恵一は下駄箱に体をもたれかけさせて深呼吸をする。
けれどいつまでたっても、心臓は早鐘を打ち続けていたのだった。