「なんだ、同じ学校なのに知らなかったのか」


父親に聞かれて恵一はうなだれるようにしてうなづいた。


学校へ行っても友達らしい友達はいない。


情報源はどこにもないのだ。


リナがそんなに近くにいたと知って下唇をかみ締めた。


もっと早くしていれば、リナに近づくことができたかもしれない。


いや、今からでも遅くはないかもしれない。


なにせ恵一とリナは同い年だ。


学校生活はまだ2年以上残っている。


途端に恵一の目が輝き始めた。


可能性はまだある。


高校3年間で必ずリナと仲良くなる。


その時から恵一はリナの一番のファンになったのだった。