爪を一枚はがしてしまった後は夢中になった。


光平の体の下でクルミはビクビクと痙攣したように震える。


それが楽しくて仮面の下で満面の笑みを浮かべて、すべての爪を剥いでしまった。


クルミの長くしなやかな指先は真っ赤に染まり、それが月明かりに照らされてヌラヌラと輝いている。


次に光平はクルミの体を反転させて上向きにさせた。


クルミは目から大粒の涙を流していて、光平を見上げてくる。


大きくて魅力的な目をしている。


光平は仮面の下に笑みを浮かべたまま、工具箱を確認した。


そして手に取ったのは隙間などに差し込むことができる、ヘラのようなものだった。


金属製のそれの強度を確かめるように地面を叩く。


カンカンと甲高い音が響いてクルミがまた体を震わせた。


再びクルミの前にやってきた光平はクルミの体に馬乗りになると、片手でクルミの右目を無理矢理開かせた。


クルミがイヤイヤするように左右に首を振るので、光平は一度クルミから手を離すとその頬を殴りつけた。


容赦なく、2発3発と続けて殴ると頬骨が折れる感触が伝わっていた。