☆☆☆
保健室で寝て、少しだけ勉強をして、保険医の先生と相談とも言えないような雑談の時間を過ごすと、あっという間に放課後になった。
廊下を行きかう生徒たちの声が途絶えたのを確認して、保健室をあとにする。
そのまま昇降口へ向かおうと思ったが、ふと思いついて足を逆方向へ向けた。
普段は普通の生徒でも絶対に行かないような場所、屋上へ向かって歩き出す。
女子生徒たちの噂話を信じているわけじゃない。
17にもなってあんな話真に受けたりはしない、だけど屋上がどんな場所なのか気になったのだ。
階段をあがりきると灰色のドアが見えた。
「へぇ、こんなドアなんだ」
ここへ来るのは初めてだからドアが灰色だとは思っていなかった。
ものめずらしげにそのドアを見つめた後、光平はドアノブに手をかけた。
回してみると簡単に開いてしまった。
こんなもんなのか?
首を傾げつつ屋上へ出ると日差しの強さに目を細める。
今からこんな灼熱の中アパートまで帰らないといけないのかと思うと、気が重たかった。
屋上はただ広いだけでなにもない。
剥げたフェンスが寂しげに立っているだけだ。
きびすをかえそうとした光平の視界に光る何かが見えて途中で動きを止めた。
近づいていってみるとそれは真っ白な仮面だった。
「これ……」
保健室で寝て、少しだけ勉強をして、保険医の先生と相談とも言えないような雑談の時間を過ごすと、あっという間に放課後になった。
廊下を行きかう生徒たちの声が途絶えたのを確認して、保健室をあとにする。
そのまま昇降口へ向かおうと思ったが、ふと思いついて足を逆方向へ向けた。
普段は普通の生徒でも絶対に行かないような場所、屋上へ向かって歩き出す。
女子生徒たちの噂話を信じているわけじゃない。
17にもなってあんな話真に受けたりはしない、だけど屋上がどんな場所なのか気になったのだ。
階段をあがりきると灰色のドアが見えた。
「へぇ、こんなドアなんだ」
ここへ来るのは初めてだからドアが灰色だとは思っていなかった。
ものめずらしげにそのドアを見つめた後、光平はドアノブに手をかけた。
回してみると簡単に開いてしまった。
こんなもんなのか?
首を傾げつつ屋上へ出ると日差しの強さに目を細める。
今からこんな灼熱の中アパートまで帰らないといけないのかと思うと、気が重たかった。
屋上はただ広いだけでなにもない。
剥げたフェンスが寂しげに立っているだけだ。
きびすをかえそうとした光平の視界に光る何かが見えて途中で動きを止めた。
近づいていってみるとそれは真っ白な仮面だった。
「これ……」