「ドライブしながらお喋りするんですね。いいですよ」
私は笑顔を作り、躊躇なく助手席に乗り込んだ。
車は発進する。土日の都心ど真ん中は平日より空いているという印象だ。
どこへ向かっているのか、なんとなくわかる。私は他愛のない話、主に風雅の日常のことを話した。優雅さんも風雅の子どもの頃の話をする。時折、互いの話に笑い合うけれど、異質な感覚が消えない。
お互いこんな話がしたいわけじゃないのはわかっている。優雅さんは私に言いたいことがあるのだろう。
「優雅さん、私のこと嫌いですか?」
はっきりと口にしたのはまどろっこしいドライブに飽きたからだ。性格は強い方で、腹に一物ある人間相手に黙っていられない。
信号で停車したタイミングだ。優雅さんが私に首を巡らせて、にっこりと微笑んだ。
「個人的に言えば、希帆さんのはっきりしたところや力強いところは好ましく思います。兄弟って好みが似るんですね」
「ごまかさなくていいです。じゃあ、聞き方を変えますね。風雅の妻……榮西グループ総帥の妻には相応しくないと思っている」
優雅さんがふふ、と笑った。中世の絵画みたいに綺麗な笑みだ。
「目的地です。ここでお話の続きをしましょう」
「ここ……」
それは西新宿にある高層ビル……榮西株式会社の本社ビルだった。
私は笑顔を作り、躊躇なく助手席に乗り込んだ。
車は発進する。土日の都心ど真ん中は平日より空いているという印象だ。
どこへ向かっているのか、なんとなくわかる。私は他愛のない話、主に風雅の日常のことを話した。優雅さんも風雅の子どもの頃の話をする。時折、互いの話に笑い合うけれど、異質な感覚が消えない。
お互いこんな話がしたいわけじゃないのはわかっている。優雅さんは私に言いたいことがあるのだろう。
「優雅さん、私のこと嫌いですか?」
はっきりと口にしたのはまどろっこしいドライブに飽きたからだ。性格は強い方で、腹に一物ある人間相手に黙っていられない。
信号で停車したタイミングだ。優雅さんが私に首を巡らせて、にっこりと微笑んだ。
「個人的に言えば、希帆さんのはっきりしたところや力強いところは好ましく思います。兄弟って好みが似るんですね」
「ごまかさなくていいです。じゃあ、聞き方を変えますね。風雅の妻……榮西グループ総帥の妻には相応しくないと思っている」
優雅さんがふふ、と笑った。中世の絵画みたいに綺麗な笑みだ。
「目的地です。ここでお話の続きをしましょう」
「ここ……」
それは西新宿にある高層ビル……榮西株式会社の本社ビルだった。



