翌日、日曜ではあったけれど風雅はスーツで出社していった。相も変わらず多忙だ。
それでも私との時間を確保してくれるのは、多少なりとも仕事の分配ができているのだろうか。無理をしていないといいのだけれど。
日曜はよほど急ぎの案件が無い限り、私も休むことにしている。
部屋を掃除し、洗濯物する。タワーマンションは外に干せないのが不便だ。洗濯物は日光と外の風を浴びた方が絶対に心地いいのに。ここは分譲マンションだから夢の話だけど、いずれはもう少し静かな地域に部屋か戸建てを買い、私が内装をデザインしようかな。
外で洗濯物が干せる方がいい。風雅の作ってくれた朝ごはんを食べられるウッドデッキなんかもあるといいな。
そんなことを考えていると来客を告げるインターホンが鳴った。
「はい」
『希帆さん。優雅です』
尋ねてきたのは優雅さん。
あれ? 昼に会社で風雅と待ち合わせじゃなかった? 今の時刻は午前だ。
『少し希帆さんとお話がしたくて。外へ出ていらっしゃいませんか?』
「ええ、わかりました。少し待っていてください」
化粧もろくにしていない肌に慌てて日焼け止めを塗り、財布入りのバッグを肩に下げて部屋を出た。
マンション前、配送車などが一時的に車を置けるスペースに駐車し、優雅さんは待っていた。
「すみません、お呼びたてして」
「いえ」
「どうぞ。……ああ、地方に住んでいるもので、ついどこへでも車を持ち出してしまうんです」
人の好い笑顔は、風雅と似ているけれど、やっぱり違う。



