『風雅の近くにいるってだけで、私はとばっちりだからね。風雅が特定の子と付き合えば、嫌がらせしてくる女子は諦めるんだから』
『そうかな。今度はその彼女に嫌がらせするんじゃない? そういう子って』
風雅はけろっとした顔で答える。
『だから、俺の彼女は強くてたくましい子がいいんだろうね。希帆みたいな』
『強くてたくましいは微妙な評価だけど、私みたいなイイ女を選ぶのは正解だと思う。そうしなさいね』
『うん』
にこにこ笑った風雅が何を考えているのか、この時の私にはわからなかった。
高三の春、私は両親にとんでもないことを言われた。
『希帆、左門社長の御子息と婚約が決まったわよ』
夕食の席で、お祝いのケーキとともにもたらされた一方的な報告。
左門社長の御子息って、三年間私とクラスメイトの、素行適当いつも御機嫌天然人たらしのあの左門風雅よね!?
『ちょちょちょちょ……待って待って待って。意味わかんない。なんで私が?』
『左門社長、ご自身の体調のこともあって、十代のうちに風雅くんの婚約者を見つけたいと思っていたそうなんだ』
『そこで三年間クラスも一緒、気心も知れていて、気も合う希帆をぜひにって。嬉しいわねぇ』
『願ったり叶ったりだよなあ、希帆!』
『そうかな。今度はその彼女に嫌がらせするんじゃない? そういう子って』
風雅はけろっとした顔で答える。
『だから、俺の彼女は強くてたくましい子がいいんだろうね。希帆みたいな』
『強くてたくましいは微妙な評価だけど、私みたいなイイ女を選ぶのは正解だと思う。そうしなさいね』
『うん』
にこにこ笑った風雅が何を考えているのか、この時の私にはわからなかった。
高三の春、私は両親にとんでもないことを言われた。
『希帆、左門社長の御子息と婚約が決まったわよ』
夕食の席で、お祝いのケーキとともにもたらされた一方的な報告。
左門社長の御子息って、三年間私とクラスメイトの、素行適当いつも御機嫌天然人たらしのあの左門風雅よね!?
『ちょちょちょちょ……待って待って待って。意味わかんない。なんで私が?』
『左門社長、ご自身の体調のこともあって、十代のうちに風雅くんの婚約者を見つけたいと思っていたそうなんだ』
『そこで三年間クラスも一緒、気心も知れていて、気も合う希帆をぜひにって。嬉しいわねぇ』
『願ったり叶ったりだよなあ、希帆!』



